姿勢関係, 治療関係

大殿筋~広背筋を診よう!~後機能線(Functional Back Line)~

私は臨床で五十肩、膝痛、腰痛などをよく診ます。
また、高齢者が多いので円背の方もたくさんみています。これらの症状(運動機能障害)を筋骨格系で解決する際、大殿筋と広背筋とこれらと連結する筋肉に着目してアプローチするとうまくいくことがあります。
勿論、筋骨格系で解決しない問題もたくさんありますが、そこはこの記事では割愛します(^_^;)

ということで、今回は大殿筋~広背筋の連結についての記事になります。
この連結はAnatomy train(アナトミートレイン)という書籍では、後機能線(Functional Back Line)と書かれていますので、その用語も使わせて頂きます。

各々の筋肉についての説明、連結についての説明、臨床での重要性などについて私見を勝手に書きたいと思います!


大殿筋

 Netter解剖学より

【起始】後殿筋線の後方、仙骨・尾骨の外側縁、胸腰筋膜、仙結節靭帯
【停止】腸脛靭帯、臀部粗面
【働き】
上部線維:股関節伸展、股関節外旋、股関節外転 
    
下部線維:股関節伸展、股関節外旋、股関節内転
【連結】
起始部:腸脛靭帯を介して大腿筋膜張筋、反対側の大殿筋多裂筋、殿筋膜を介して中殿筋大腿二頭筋長頭
   
停止部:外側広筋大腿二頭筋短頭小内転筋大内転筋

大殿筋下部線維股関節の屈曲制動で働き、上部線維腰椎前弯とセットで働くと言われています。

(参考文献:https://www.jstage.jst.go.jp/article/jkpt/17/0/17_17-A05/_pdf/-char/en)

大殿筋は仙腸関節をまたいでいる筋肉の為、過緊張になると仙腸関節の動きを妨げることになります。
仙腸関節が全く動かないと歩行が困難になると言われていますので、遊び程度は動く必要があります。


次に大殿筋と連結している筋肉の中で、多裂筋と外側広筋について書きます。


多裂筋

多裂筋は下の写真のように腰椎の乳様突起から2-4上位の棘突起にかけて走行しています。
勿論全ての乳様突起に付着しておりますし、仙骨からも走行しています。

多裂筋は横隔膜、骨盤底筋、腹横筋と共にコアマッスル(インナーユニット)として知られておりますが、このユニットが働くことで体幹の安定性が確保され、バランスや四肢の筋出力を高める要素となっております。

腰痛患者の8割が多裂筋の委縮がみられた、という報告もあるように、多裂筋が働かなくなると体幹が不安定になり、アウターマッスル(脊柱起立筋など)優位となります。
アウターマッスルは疲労しやすい為、長時間経過すると痛みが出現してしまいます。

大殿筋が機能していない状態では、腰部の多裂筋の機能は低下することが予想されます。

ちなみに多裂筋の働きを促すには、四つ這いでの上下肢挙上運動で少し外転位にすると良いそうです。
また、骨盤をやや前傾位にすると良いとのことです。

(参考文献:https://www.jstage.jst.go.jp/article/cjpt/2011/0/2011_Ca0270/_pdf/-char/ja、https://www.jstage.jst.go.jp/article/rika/25/6/25_6_935/_pdf/-char/ja)


外側広筋

 Netter解剖学より

【起始】大転子の外側面、大腿骨粗面の外側唇に付着
【停止】膝蓋骨の外側もしくは上縁、中間広筋・大腿直筋の終腱

働きは膝関節伸展で働きます。図でご覧のように大腿筋膜筋、大腿二頭筋などと重なり合っており、大殿筋と連結があります。


広背筋

 Netter解剖学より

【起始】T5~L5の棘突起、仙骨、腸骨稜、第9~12肋骨
【停止】上腕骨の小結節稜
【働き】肩関節伸展、肩関節内旋、肩関節内転
上部線維:水平伸展
下部線維:体幹側屈
【連結】大殿筋、大胸筋

図をご覧のように僧帽筋下部線維、大円筋や前部では前鋸筋、腹斜筋などど重なり合っておりますので、これらの筋肉との滑走性が乏しいと働きが低下してしまいます。

広背筋は骨盤、脊柱、上肢と身体を広く走行している為、とても重要な筋肉となります。
広背筋は様々な運動機能障害に影響している筋肉の一つと言えると思います。

(参考文献:https://www.jstage.jst.go.jp/article/cjpt/2006/0/2006_0_A0604/_pdf/-char/ja)


大殿筋ー広背筋(後機能線)

一側の大殿筋と反対側の広背筋が共同して働くと言われております。
また、大殿筋は反対側の大殿筋とも連結しており、外側広筋とも共同して働きます。

後機能線が過剰に働くとあまり良くない印象があります(ここで言う過剰とは、遠心性収縮、求心性収縮どちらも指します)。
過緊張なく、適度な筋緊張を保っているのが良いと考えています。

アナトミートレインにも後機能線は直立立位姿勢にはあまり使用されていないと書かれていますが、腰椎前弯をつくる為に後機能線が適切な緊張に保たれていることが重要だと考えています。
実際、腰椎前弯-股関節伸展-膝関節伸展の運動をつくる際に後機能線が適度に働く必要はあります。

上記で記載したように多裂筋にも影響するため、後機能線が適切な緊張を保っているインナーユニット(横隔膜、腹横筋、骨盤底筋、多裂筋)が働きやすくなります。
インナーユニットが働くと、体幹が安定する為、動きの質の向上アウターマッスル過緊張の抑制が起こります。結果的に痛みなどの症状が緩和します。

簡単にまとめると、

・後機能線の過剰筋緊張は運動機能障害となりうる
・後機能線の筋肉は様々な筋肉と影響しあう

ということになります。

ピラティススタイル


姿勢から推測

広背筋、大殿筋共に表層の筋肉の為、体幹前傾(円背)姿勢になると遠心性収縮が起こります。
この状態が長時間続くと虚血状態となり痛みが出現し筋出力も低下します。
また、反り腰のような姿勢の方は求心性収縮が過剰に起こっていますが、この状態が長時間続くと虚血状態となり痛みが出現し筋出力も低下します。
また、身体の左右差、回旋偏移なども後機能線の機能に影響します。

姿勢分析に関してはnoteで詳しく書いたので、興味のある方はそちらをご覧ください。

↓   ↓   ↓   ↓

https://note.mu/kajikajiwarawara/n/n4ebc416afbbd


まとめ

・大殿筋は多くの筋連結をもっているため重要
・広背筋は骨盤、脊柱、上肢を広範囲にわたる筋肉の為、機能障害の原因になりやすい
・広背筋や外側広筋は様々な筋肉と滑走性障害をおこしやすい
・大殿筋と連結している多裂筋の機能は動きに大きく影響する
・後機能線が過緊張になっていない(適切に働いている)ことが重要


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