勉強法、思考法関係

臨床で用いたい「合理的思考」

情報社会の現代において、情報リテラシーが大事であるということが近年言われています。
つまり、情報を簡単に得ることができる分、情報を取捨選択する能力が必要だということです。
「京大医学部で教える合理的思考」という書籍を参考にし、今回は臨床で用いると良い思考について書きたいと思います。


とにかく疑う習慣をつける

世間のイメージや自分の経験からの先入観により、あまり考えずに物事を取り扱うことがあるかと思いますが、これは医療、介護の世界では危険です。
思考が停止している状態ともいえます。
常識と言われていたことが真実とはかぎらない、と書籍にも書いてあるように、ステレオタイプ思考にならないように心掛けておきたいですね。

正解、不正解があるとは限らない

医療、介護ではこのような思考が大切だと感じます。
二元論の方が物事は簡単なんですが、ヒトを扱う仕事に関しては二元論ではうまくいかないことが多いです。

原因は一つとは限らない

医学の世界では原因が一つの病気を単因子疾患、複数の原因の病気を多因子疾患と呼びます。
たいての病気は多因子疾患と言われており、多くの原因が絡み合い結果を生じさせています。
リハビリ場面でいえば、膝が痛いという訴えがある患者さんがいたとした場合、膝の炎症で終わらせず、足の状態、体幹の状態、内部疾患の有無、精神面、靴の種類、神経の状態など様々な角度から見ていく必要があります。

さらに近位因果関係遠位因果関係という考え方があります。
近位因果関係とは、結果の近くに原因がある場合で、遠位因果関係は結果の遠くに原因があるという意味です。
書籍によると「近位より遠位に手を付けることが大事」と書いてあります。
現実的には状態悪化を防ぐために、ひとまず近位に手をつけつつ、時間が許す範囲で遠位にも手をつけていくのが良いですね。

バイアスを考慮する

バイアスとは、情報の偏りやそれを生み出す考え方、と言えます。
医療現場では、先入観を持たないという前述した内容にもかぶりますが、論文や文献を読むときの対象者の偏りは確認して結果を見た方が良いです。
リハビリ場面では健常者か要介護者かによってだいぶ効果が変わってきますし、リハビリ養成校の学生を対象者にした場合なども先生に配慮した結果になっている可能性もあるので注意が必要です。

リスクの過大視しすぎは注意

医療現場ではリスク管理は必須です!
リハビリ現場でも急性期に限らず生活期、スポーツ、予防の世界でもこれは同じです。
しかし、利益(ベネフィット)とリスクを天秤にかけて、利益が大事な時はリスクより優先する思考も大事です。
強い薬は副作用がありますが、薬による利益が大きければ薬を使いますし、リハビリでも動けば転倒リスクはありますが、動くことで廃用症候群を予防できるという利益があればそれを優先することも必要です。

役立つ情報を見極めるポイント

書籍によると、以下のポイントを考慮して情報をとると良いそうです。

Available 利用可能な(自分が使える情報か)
Best 最良の(妥当性があるか)
Clinical 臨床の(人間を対象としているか)
upDate 現在の(昔の情報が近年否定されることもあるので)
External 外部の(自分の組織内の知見でなく外部組織も知見に重きを置く)

上記のように、ABCDEでチェックすると良いとのことです。
※ Dは無理矢理感がありますが。。。
論文や文献や読むときに、結果のみを見て鵜呑みにするのではなく、上記の内容を考慮して自分で判断して情報を利用することが大事ですね。

証拠がないことは、ないことの証拠ではない

これはブッシュ政権時代に国防長官のラムズフェルドが使った言葉だそうです。
有効性を示すエビデンスがないことが、無効であることを積極的に示すエビデンスにはならない、ということです。
つまり、無効のエビデンスがないからやってもいい、という解釈ができます。
エビデンスが大事と言われていますが、エビデンスがないと何もできない、となっては医療者も患者さんも困ります。

わからないことは次から次へ現れますので、100%を目指す旅に終わりがないですよね。

合理的な意思決定

書籍によると、意思決定は以下の3つの要素のバランスで成り立っているといっています。

①価値観・文化
②エビデンス・情報
③資源(人、物、時間、金)

上記の要素の1つだけに偏るのではなく、3つのバランスをみて判断していくのが大切だということです。

 

<最後に>
大変参考になる書籍でした。
医療、介護の話を例に出しましたが、すべての仕事で必要な思考だと思いました。
参考にしていただけると幸いです(^^)



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