治療関係

位置覚(深部感覚)についてandその重要性!



 運動好きの武井壮さんが面白い事をおっしゃっていました!

なぜ自分が一流プレーヤーのような動きができないのか考えてた時、
自分の動きを動画で見た時、自分が思ってたのと違った。」そうです!

このことから、思った通りに動かせるようになればいい」と分かったそうです!

このような事はリハビリ場面の機能訓練場面でよくありますよね?

「思ったように動かせない」
これは言い換えるとイメージと身体のギャップと言えます。

まず、そもそも脳内での運動イメージができないと遂行は難しいですが、イメージは出来ることを前提にすると、このギャップは適切な感覚情報(視覚、深部感覚、平衡感覚、反力、加速度など)が入っていないことが要因として考えられます。
その因子の一つである関節の位置についての記事を書いていきたいと思います。

今回は運動遂行の為に必要な要素の一つである関節の位置覚について、文献と私見を交えつつ記事を書いていきたいと思います。

【この記事の要約】
●関節位置覚に関与しているのは関節包、靭帯の影響が大きい
●関節包、靭帯に付着している筋肉が関節位置覚の低下に関与している
●動作遂行は一つの関節だけでは達成されず、様々な感覚が統合されている為、関節位置覚はあくまで一要素である

 先行研究
関節の位置覚に関する報告は多数あります。

例1)足の関節位置覚が低下している人は、転倒リスクが高い
例2)術後の関節の位置感覚は低下しており、回復とともに位置覚の改善がみられる

などの報告が多く、動作に必要な要素であることは間違いないようです。

▣ 関節位置覚とは
関節位置覚とは、直接見ずに関節がどのくらい曲がっているか、どのくらい動いているか、などの感覚で、皮膚の触覚や温度覚とは異なり、深部感覚の一種となります。
これは、関節の受容器筋紡錘が位置感覚に関系する(PMID:4268355)と言われております。

ちなみに筋紡錘は下図のように筋肉の中に存在する器官で、筋の伸張や短縮に対して動的および静的に反応し、安静時には自発放電を有しています。

宮崎ら(文献)によると、筋紡錘はゆっ くりとした他動運動で伸張されるならば関節位置覚としての意味もあるが、動作中の関節覚としての機能は果たしていないと報告しています。
つまり、筋紡錘は筋肉の運動覚の役割あるが、関節の位置覚の役割は乏しく関節位置覚はルフィニ小体、ゴルジ受容体が関与していると述べています。

 関節の構造
関節は下図のような構造になっています。内側に関節包、その外側に靭帯、その外側に筋肉という構造が一般的です。
※参考図書は「関節内運動学」。

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ルフィニ小体とゴルジ受容体は、皮膚にも存在しますが、関節で言えば以下の場所に存在します。

●ルフィニ小体:関節包に存在
●ゴルジ受容体:靭帯に存在
※ パチニ小体という器官がありますが、振動受容器のため関節の位置、運動覚には無関係とされています。

関節の位置覚は、関節包靭帯が適切な状態であれば不具合は生じにくいと考えられます。
つまり関節の位置が適切にあれば関節位置覚はずれにくいと言えます。


下の図のように関節が適切な位置にあると筋肉や関節包・靭帯などの組織への負担は少ないですが、位置がズレていると緊張バランスが変わります。

普段から関節周囲の筋肉のバランスが不良な状態が続いていると関節の位置覚が不良になると推測できます。
さらに直接関節包や靭帯に付着する筋肉がより関与すると推察できます。

▣ 関節包と靭帯に付着する筋肉
筋肉は基本的には骨から骨に付着しますが、中には関節包や靭帯に付着する筋肉もあります。

解剖は教科書通りでないことがあり個体差がありますので、必ずではありませんが、以下に関節包と靭帯に付着する筋肉を紹介します。

関節包付着筋
●顎関節:外側翼突筋
●肩関節:小円筋、棘上筋、棘下筋、肩甲下筋
●肘関節:上腕筋
●膝関節:半膜様筋、膝窩筋、足底筋
●股関節:大腿直筋
●手足の内在筋は多数
靭帯付着筋
●仙結節靭帯:大臀筋
●恥骨靭帯:恥骨筋
●鼠径靭帯:内外腹斜筋、腹横筋 

※ 参考サイト ➔ 
文献や書籍によって異なる場合や、上記以外の筋肉もあると思いますm(._.)m

▣ 関節位置覚に関する知見

関節位置覚について面白い研究報告を2つご紹介します!

肩関節の位置覚における先行研究で、ボールのコントロール精度が高い人の肩関節の位置覚は鈍かった、という報告があります(文献)。

これは、ボールを投げる精度は肩関節の位置覚の影響は小さく、それ以外(下肢の支持性、胸椎の可動性、手首の柔軟性、指の巧緻性など)の要因が影響していると言えます。
つまり、動作は一つの関節だけでは成立しない為、一つの関節の位置覚はあくまで動作遂行の一要素といえます。

また、動作は関節位置覚以外にも、視覚、平衡感覚、反力、加速など様々な感覚が入力され統合されて達成されているので、関節位置覚はあくまで一要素に過ぎません

肩関節腱板断裂側の位置覚に関する先行研究で、健常者と比べて90度外転位では有意差がなかったが、45度外転位では有意差がみられました(文献)。

この報告から、関節包に付着している筋肉(ローテータカフ)が関与している角度で関節位置覚が低下することから、やはり関節包に付着する筋肉の機能障害が関節位置覚に関与していると推察できます。

▣ まとめ

関節位置覚は動作遂行に必要な一要素である関節位置覚は関節包、靭帯の受容器の影響が大きい
関節位置覚は関節包や靭帯に付着する筋肉と、関節の適合性に着目すると良い
目的動作に必要な関節は一つではないし、感覚も様々なものが関わっている

関節位置覚はいろいろな評価項目の一つに過ぎませんが、これを見ておくことは必要だと考えます。
最後までご覧いただきありがとうございました。少しでも参考になれば幸いです。




 

 

 

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