医療情報関係

関節リウマチのリハビリを考える

関節リウマチRheumatoid arthritis)は、原因不明の関節破壊を有する慢性炎症疾患であり自己免疫疾の病気です!

「リウマ」はギリシャ語で”流れる”を意味するようです。痛みが流れ移ると解される病気として、GarrodがはじめてRheumamid arthritisの名称を用いたそうです。

その後、1962年に日本リウマチ学会が、rheumamid arthritisを「慢性関節リウマチ」と訳したが、全員が慢性の経過をたどらないことと、早期発見が重視される時代に「慢性」の言葉が適切でないと判断し、2002年に慢性が外されて「関節リウマチ」と呼ばれるようになりました。

この記事では、関節リウマチについての疫学から治療までご紹介したいと思います。

【要約】
・関節リウマチは中年の女性に多い
・症状は、関節症状だけでなく、全身症状や関節以外の肺症状などもある
・診断は、関節リウマチ以外も疑い、スコアリングシステムで判断する
・治療は、薬物、手術、リハビリテーションとあるが、主軸は薬物療法である

疫学
日本人の人口の0.5%くらいの罹患率と言われており、男女比は女性の方が3〜5倍多いと言われております。
また、40〜60歳が好発年齢とされています。

好発関節
・手指:スワンネック変形

・手首:尺側変形

・足指:外反母趾

※代表変形を紹介してありますが、上記以外の変形もみられます。

症状
全身症状:倦怠感、疲労感
関節症状:腫脹、疼痛、発赤・熱感(炎症強い場合)
関節外病変:リウマトイド結節、血管炎、心膜炎、眼病変(上強膜炎・強膜炎等)、 肺病変(間質性肺炎、胸膜炎等)、二次性アミロイドーシスなど

診断
▧2010年に作成されたアメリカリウマチ学会・ヨーロッパリウマチ学会分類基準が 用いられる。
この基準では、他の疾患では説明できない1ヶ所以上の関節炎があった症例に対して、スコアリングシステムで6点以上の場合をRAと診断する。

  
  ※ スコアリングシステム

DAS(disease activity score)
DASのスコアは、関節リウマチの患者さんの現在の活動性や症状の程度をあらわすものす。
DASには、44カ所の関節を調べるDAS44と、28カ所の関節を調べるDAS28があり、日常の診療ではDAS28がよく使われています。

<DAS28で調べる項目> 
・ 圧痛のある関節数:押さえたときに痛みを感じる関節の数をチェック 
・ 腫れのある関節数:腫れのある関節の数をチェック 
・ 炎症反応の有無:赤沈またはCRPを血液検査でチェック 
・ 患者総合VAS(visual analogue scale)でチェック 

下図のように肩、肘、手首、膝、指の付け根(MP関節)と第2関節(PIP関節)の計28か所を確認!

【スコア】 
5.1以上:病気の活動性が高い(症状がかなり強い)
3.2~5.0:病気の活動性が中等度(症状がまずまず強い)
3.2未満:病気の活動性が低い(症状が落ち着いている)
2.6未満:寛解(症状が完全に落ち着いて、関節リウマチの進行が止まっている)


補足ですが、Teraoより関節リウマチは低気圧により腫れや痛みが助長されると言われています(参考文献)。
よって天気の影響も受けやすい疾患であると言えます。

治療
治療の基本は薬物療法となります。

それと並行してリハビリテーションを行っていくこととなります。手術療法は変形や痛みの程度によって行われることもあります。

薬物療法
抗リウマチ薬:代表薬➔リウマトレックス(メトトレキサート)

【作用】滑膜細胞や免疫細胞の活性化に関わる葉酸の働きを抑えることで炎症を抑える。
【副作用】口内炎、吐き気、下痢、間質性肺炎など
【注意】妊娠中、授乳中はダメ、重い肝臓病や腎臓病の人もダメ

▧NSAIDs(非ステロイド消炎鎮痛薬)
【作用】痛みどめとして使用される。抗リウマチ薬と併用に使用される。

▧ステロイド
【作用】炎症や免疫を抑える作用で、効果が早い。抗リウマチ薬と併用することもあるが、少量にするのが一般的。
▧生物学的製剤
2003年から使用されている注射薬。

※分子標的薬:内服薬だが生物学的製剤と同じ効果が期待される。

【一般的な流れ】
①まずはリウマトレックス(使用できない場合は他の抗リウマチ薬)
 ※NSAIDs、ステロイド併用することもある
②生物学的製剤or分子標的薬を抗リウマチ薬と併用
③効果が得られなければ薬を変更して様子をみる

手術
・人工関節
・滑膜切除術

リハビリテーション

・炎症期:疼痛鎮痛、変形予防(補装具、補助具など)
・非炎症期:ROM運動生活指導

理学療法と作業療法を組み合わせると、理学療法だけに比べて、疼痛軽減、活動参加向上、QOL向上したという報告(参考文献)がありますので、作業療法も有効だと思われます。

ROM(関節可動域訓練)は、負担をかけずに動かすというのが基本方針になります。痛いから動かさないようにしていると、益々動かなくなる為、痛みのない範囲・関節に負担のかからない範囲で動かすことは必要になります。

また、関節が動かないことから筋肉の動きが少なくなる為、筋肉のコリができる場合もあります。関節をゴリゴリ動かすようなことは行わない方が良いですが、関節を動かさずに筋肉を動かす等尺性収縮運動マッサージのような徒手療法も必要だと思われます。

運動に関しては、リウマチ体操と呼ばれるものが存在します。

生活指導に関しては、関節に負担をかけないような工夫が必要になります。例えば、ペットボトルのキャップを開けやすくすうような道具があります。

また、手首などを保護するサポーターなども有効です。

まとめ
関節リウマチの方、もしくは関節リウマチに関わる職種の方は頭に入れておいた方がいい内容を書かせて頂きました。
リウマチという言葉は有名ですが、病態や治療に関してはまだまだ知見が拡がっていない印象を受けます。
少しでも関節リウマチ患者さんの生活の質が上がるように考えていきたいところです。

参考文献
・矢野良一.リウマチの臨床.日内会誌 1966.55(5)
・日本リウマチ学会ホームページ
https://www.ryumachi-jp.com/info/yogo.html

・前田、2015:https://www.jstage.jst.go.jp/article/rigaku/42/4/42_KJ00010001346/_pdf
・田中良哉ら.2010年関節リウマチ新分類基準とその臨床応用.臨床リウマチ,23: 339~343,2011

・ガイドライン2014
https://minds.jcqhc.or.jp/n/med/4/med0064/G0000706/0011
Eda TONGA et al.
Effectiveness of Client-Centered Occupational Therapy in Patients With Rheumatoid Arthritis: Exploratory Randomized Controlled Trial. . 2016 Mar; 31(1): 6–13.
Terao C.Inverse association between air pressure and rheumatoid arthritis synovitis.
2014 Jan 15;9(1):e85376. doi: 10.1371/journal.pone.0085376. eCollection 2014.

 

 

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