リハビリテーション関係

他人の行動を変えるにはどうする?

私は日々高齢者のリハビリ業務に携わっていますが、相手の生活習慣を変えるのは容易ではないと痛感しています。
若者のように提示したトレーニングをしっかり行ってくれる人の方が少ないです。
しかし、働きかけによっては行動が変わる人がいます。この記事では、他人の行動を変える方法の一案をご紹介します。

【要約】
・行動変容ステージモデルはその人時期に合わせてアプローチする方法である
・行動変容ステージを進める為には、結果期待感と自己効力感を与えることが大事
・ステージモデルでは、塾考期と準備期の人が多い
・行動分析学的には、行動後のメリットを与える事が大事

▮行動変容とは、、、
習慣化された行動パターンを変えることです。
言い方を変えると、環境を良好な状況に整え、生活習慣を見直し改善することです。禁煙、ダイエットなどの身近な問題でも使われる用語です。
行動変容には様々なモデルが存在しますが、今回はその中で行動変容ステージモデルを用いた方法をご紹介します。
また、行動分析学も行動を分析するツールとして利用できるため少しですがご紹介します。

▮ステージモデル
行動変容ステージモデルは、以下のように時期に分けられます。

●維持期:6ヶ月以上行動を維持している状態
●実行期:すでに行動を変えているが、6ヶ月以内の状態
●準備期:1ヶ月以内(近い将来)、行動を起こすために何らかの行為を行う意図をもっている状態
●熟考期(関心期):6ヶ月以内に行動変化させる意図がある状態
●前塾考期(無関心期):6ヶ月以内に行動を変える意志のない状態

相手の行動を変えようとした時、まず相手がどの時期にあるかのかを見定めます。
維持期が目標ですが、いきなりそこの段階の人はいないので、一つずつステージを上げていくように働きかけます。

ステージを進めるためには
結果期待感
行動変容の対象となっている行動がその人にとって望ましい成果をもたらすだろうと考えること。例えば、喫煙の害を知り、禁煙によるメリットを知ることなど。

自己効力感 (セルフ・エフィカシー)
これは、その人自身が実際にその行動を起こすことができて自信を持つことです。自己効力感を高めことに影響する因子は以下のものだと言われています。

<影響を与える4つの要素>
①遂行行動の達成:成功体験・実行体験
②代理的体験:観察学習・擬似的達成感
③言語的説得:賞賛
④生理的および情動的喚起:身体変化の自覚・感動・高揚感

各ステージの働きかけ
●無関心期への働きかけ
・意識の高揚:運動のメリットを知る。
・感情的経験:このままでは「まずい」と思う。
・環境の再評価:周りの人への影響を考える。

熟考期(関心期)への働きかけ
・自己の再評価:運動不足の自分をネガティブに、運動をしている自分をポジティブにイメージする。

準備期への働きかけ
・自己の解放:運動を上手くできるという自信を持ち、運動をはじめることを周りの人に宣言する。

実行期と維持期への働きかけ
・行動置換:不健康な行動を健康的な行動にイメージを置き換える。
・援助関係:運動を続ける上で、周りからのサポートを活用する。
・強化マネジメント:運動を続けていることに対して「ほうび」を与える外的なほうびは依存しやすいため注意
・刺激の統制:運動しやすい環境作りをする。

熟考期と準備期の人が多い
ステージモデルでは塾考期と準備期が多いと言われています。

よって、その2つのステージでの関わりのポイントをご紹介します。

<熟考ステージの特徴と戦略>
運動で得られる恩恵を認識しているが、妨げているバリア要因など負担感が大きい時期。

●負担より恩恵の認識を重くさせる
●日常生活でできる短期目標を設定させる(95%実行可能なもの)
●気づきを高めさせ、その先の良い自分をイメージさせる
●自信を高めさせる
<準備ステージの特徴と戦略>
運動実践を妨げるバリア要因が存在していたり、運動を行う自信が低いため定期的に行えない時期。

●自己効力感強化:活動リストを作らせる
●目標認識:具体的なもの
●拘束力高める:セルフモニタリング
●家族・友人のサポート

▮ 行動分析学
次に、行動を変える為の方法として行動分析学も少しご紹介します。行動分析学とは人間の行動を分析する学問です。代表的な考え方は以下のものとなります。

・行動は直後の結果に影響される➔レスペラント強化
・行動の直前が原因である➔オペラント強化

これを活かして他人の行動を変えることができます。
以下に例を出します。


上記のような流れが一般的ですが、この例でいうと過去に青信号で渡って事故に合ったことがある人は、青信号だからといって安心して横断歩道を渡れません。
ヒトは行動の直後にメリットが生じると、その行動を継続するようになります。
つまり、行動後にメリットを与えると良いのです。

▮おわりに
他人の行動を変えることは難しいです。
選択心理学という分野では、「過去と他人は変えられない。変えられるの今と自分だけだ。」と述べています。
この学問が言っているように他人を変えるのは難しいですが、僅かでも変えられる人がいるのであれば、行動変容アプローチ、行動分析学などを用いてチャレンジしてみるのも良いと思います。

【参考図書】

 

 

 

 

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